「ゾンビ」
“ゾンビ”というモンスターの概念がこの映画で変革したともいえる作品。
原因不明で世界中の死者が甦り、パニック状況の中、生き抜く極限サバイバルを描くというような単純な話だが、それまで呪術で甦る死人といった程度だったゾンビのイメージを同監督のシリーズ前作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」で定義された頭を撃たないと活動停止しない、フラフラ動く、生者を襲って人肉を喰うなどの今では当たり前な“ゾンビ”の設定をこの2作目で世界的に有名にした映画ともいえる。
映画で描かれるゾンビ自体は≪集団≫の怖さを感じさせたり、見せ場ともいえる巨大スーパーマーケットを舞台にした攻防シーンでは侵入してきた凶悪バイカー集団とゾンビたちのバトルが描かれ、こういう悪vs怪物的な邪悪にまみれた構図は好き☆
まあ、ゾンビ自体は本能の求めるまま動いてるだけなので≪悪≫と言うのもおかしいかもなのだが、襲われる人間たちにとっては≪死≫に直結する≪恐怖≫以外何ものでもないので悪と定義しないまでも人間が猛獣など危険なものに対峙した時と同じ≪脅威≫の存在なのである。
そういう意味ではゾンビは意志を持って人間を襲う吸血鬼や人狼とは趣向がまた違うバケモノだと思う。
ただ、私が初めて観たのはレンタルビデオでロメロ版だったのだが、正直地味というか音楽もほとんど印象もなく何か辛気臭くてイマイチだった印象があった。
でも好みの問題だと思うが、好きな監督であるアルジェントが監修した版の方を改めて観るとゴブリンの不気味な音楽や展開もテンポ良く見せる感じで私的にはこっちがお気に入り☆
それ以外にもディレクターズカット版とか色々あるらしいがそこまでは確認していない。
興味があったら見比べてみるのも面白いかも?
「ゾンビ」
ZOMBIE DAWN OF THE DEAD
1978年 アメリカ=イタリア/115分
監督: ジョージ・A・ロメロ
製作: クラウディオ・アルジェント
アルフレッド・クオモ
リチャード・P・ルビンスタイン
脚本: ジョージ・A・ロメロ
撮影: マイケル・ゴーニック
特殊メイク: トム・サヴィーニ
音楽: ゴブリン
ダリオ・アルジェント
出演: デヴィッド・エムゲ
ケン・フォリー
スコット・H・ライニガー
ゲイラン・ロス
トム・サヴィーニ
デヴィッド・クロフォード
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