「帝都物語」
荒俣宏の伝奇小説を映画化した作品。
邦画の幻想SFホラー系作品の映画では特に好きな映画で私的にこのジャンルでは邦画史に残る1本だと思う。
明治から大正にかけての日本を舞台に呪術によって平将門の怨霊を復活させ帝都壊滅を企む怪人・加藤保憲との戦いを当時の日本の政財界や文化人が絡んで描くというような内容。
公開当時、私は中学生で本屋さんでやたらこの映画の原作本が並んでいたり、予告編での「加藤」役こと嶋田久作さんのインパクトが強すぎてかなり興味を惹かれたのだが残念ながら劇場では観ていない。(本は買って読んだ)
ただ、本からそのオタクめいた複雑なオカルト知識の網羅や歴史的人物関係を描く世界観はかなり影響を受けたし、映画に関しては後のテレビ放送でやっと観たのだが、大分はしょっているながら映像センスや表現的にもかなり良い出来だったと思う。
映像化に関しては特に完璧ともいえる「加藤」のキャスティングは素晴らしかったし、日本軍の軍服を着た怪人という日本の怪奇キャラとして海外のジェイソンやフレディ、ピンヘッドなどにも全く劣らない存在感は凄いキャラだと思った!(後に「妖怪大戦争」でも豊川悦司が演じた加藤が登場するが、こちらも悪くはないものの、軍服も着てないし嶋田さんの加藤には遠く及ばないと思う)
また、クリーチャーデザインに「エイリアン」のH.R.ギーガーを起用し「護法童子」を作ったというのも面白かったし、特殊効果がストップモーションアニメなど手作り感が良い味を出していて好きな感じだった。
その後続編「帝都大戦」や番外編「帝都物語 外伝」などが作られるがいずれもこの1作目には劣るし、正直イマイチ。
どうせなら今の時代に嶋田さんの加藤で是非復活させてほしい所である。
「帝都物語」
Tokyo Last Megalopolis
1988年 日本/136分
監督: 実相寺昭雄
製作: 堤康二
製作総指揮: 一瀬隆重
プロデューサー: 飯泉征吉
原作: 荒俣宏
脚本: 林海象
撮影: 中堀正夫
特殊メイク: 原口智生
美術: 内田欣哉
美術監督: 木村威夫
編集: 浦岡敬一
音楽監督: 石井眞木
人形アニメ: 真賀里文子
背画: 島倉二千六
出演: 石田純一
原田美枝子
姿晴香
山本清美
佐野史郎
勝新太郎
寺泉憲
寺田農
中村嘉葎雄
宍戸錠
桂三枝
坂東玉三郎
いとうせいこう
西村晃
井川比佐志
島田正吾
大滝秀治
高橋幸治
平幹二朗
修健
中川比佐子
峰岸徹
嶋田久作
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