「クリープショー」
ホラー小説の帝王ことスティーブン・キングの原案と「ゾンビ」のジョージ・A・ロメロ監督が撮ったホラー映画。
この映画は小学生の時にTV放送された予告編でゴキブリが吹替ナレーションで「私、愛されたいの…」と言った瞬間に拳で一撃につぶされるというシーンが流れていてずっとゴキブリが襲ってくるだけのホラー映画と思っていたのだが、中学生の時に深夜枠で放送していたのを観たところ、これは5話構成から成るオムニバス形式のホラー映画だったというのを初めて知った。
内容としてはホラー好きな少年が理解の無い父親にホラー漫画雑誌を捨てられるプロローグに始まり、死んでまで父の日のケーキを要求するゾンビジジイが出てくる第1話、隕石に触って身体に植物が生えてきて困る農夫を描く第2話、浜辺に埋められ満ち潮で死んだ不倫カップルが藻っぽいゾンビになって仕返ししにくる第3話、木箱に閉じ込められている大昔に捕獲された怪物に悪妻を食わせようとする気弱夫を描く第4話、潔癖症のオッサンがゴキブリに襲われる第5話、そしてホラー漫画を捨てられた少年の恐るべきエピローグといった感じのストーリー。
話それぞれは何てことない単純なホラーなのだが、5話構成という充実度と軽妙なテンポの良い演出、中二が喜びそうなブラックなエンディング、随所に見られる漫画的映像表現、トム・サヴィーニの魅力的な特殊造形(特に第4話の怪物フラッフィーは秀逸!)、チープながらどこかエレガントさもあるジョン・ハリソンの音楽など映画自体の持つB級テイストな魅力いっぱいのイメージにハマってしまい、私にとって特に好きなホラー映画の1本になった。
ジョージ・A・ロメロ監督といえば代表作「ゾンビ」なのだろうが、私は彼の監督作品ではこの遊び心満載なこの「クリープショー」が一番好き☆
「クリープショー」
CREEPSHOW
1982年 アメリカ/120分
監督: ジョージ・A・ロメロ
製作: リチャード・P・ルビンスタイン
製作総指揮: サラ・M・ハッサネン
脚本: スティーヴン・キング
撮影: マイケル・ゴーニック
特殊メイク: トム・サヴィーニ
音楽: ジョン・ハリソン
出演: E・G・マーシャル
テッド・ダンソン
レスリー・ニールセン
フリッツ・ウィーヴァー
ハル・ホルブルック
エイドリアン・バーボー
スティーヴン・キング
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