「ヘルレイザー」
この映画は劇場公開当時「クリープショー2」と2本立て上映で観た作品。
元々「クリープショー」の1作目が大好きだった私はこの併映作品について大して知らず、チラシやポスターで見た顔中に釘を刺した異様なキャラクターについてはちょっと気になったものの、その程度にしか思っていなかった作品だった。
しかし実際観たこの映画はかなり衝撃的であった。
釘や針金で顔面や身体を傷つけ装飾、レザーを纏った見るからに異様な魔道士のキャラクターたち。
鈎針で身体をグチャグチャ、バラバラにされ板に打ち付けられた肉片。
赤い筋肉剥き出しの人間、黄金に輝く謎のパズルボックスなど…とにかくヴィジュアル面のインパクトだけでもかなり印象的。
そして究極の快楽を得られるというパズルボックス、それによってやってくる地獄の魔道士、不倫相手を甦らせる為に殺人を続ける女といった奇怪でダークなストーリー、世界観にも圧倒された。
何よりこれまで私が認識していた罪人が裁かれる場所のような「地獄」、または悪魔が堕天した世界としての「地獄」などの世界とは全く違う、新しい「地獄」をこの映画は見せてくれた。
この地獄では快楽と苦痛が逆転しているのか?融合しているのか?SM的ともいえる地獄の世界は独創的に感じられたし、ストーリーやキャラクター、ヴィジュアルなど様々な面において当時の他のホラー映画とは一線を画す作品であったのではないかと思う。
「ヘルレイザー」
HELLRAISER
1987年 イギリス/95分
監督: クライヴ・バーカー
製作: クリストファー・フィッグ
原作: クライヴ・バーカー
脚本: クライヴ・バーカー
撮影: ロビン・ヴィジョン
音楽: クリストファー・ヤング
出演: アシュレイ・ローレンス
アンドリュー・ロビンソン
クレア・ヒギンズ